小さな紳士

上の階から降りてきたエレベータのドアが開く。男の子とお母さんが乗っていた。
「こんにちは」と挨拶しながら乗込むと、お母さんはもちろんだけれど男の子の方も「こんにちは」と笑顔で挨拶を返してくれた。「何年生?」と尋ねると「1年生です」と丁寧な返事。こちらも丁寧に「学校は楽しいですか?」と再度尋ねると「はい!楽しいです!」
「それはいいですね」と言うと「はい、いいです!」と、どこまでも折り目正しい。
と、エレベータが1階に到着。「どうぞ」と先を譲った私に小さな手を伸べて「どうぞ」と言ってくれた。「じゃあお先に」
ありがとう、小さな紳士君。