朱色

娘が小さい頃、私は娘にピンクや赤といった
「女の子色」の服をあまり着せなかった。
色としてはピンクも赤も好きだけれど、私自身もそういった色合いの服をほとんど持っていない。
そのせいかどうか、娘は自分の好みで洋服を選ぶ年頃になっても
赤い色の物はめったに着なかった。
成人式には、私から受け継いだ白地の振袖に喜んで袖を通した。
けれど大学の卒業時、彼女は「赤もいいかなぁと思って」と、紺の袴に合わせる着物にきれいな赤色を選んだ。
そうして昨日、週末に京都で最終の衣裳選びに行っていた娘から届いた和装の画像は
日本の色とも言うべき朱色だった。
それはお雛様の衣裳と重なった。