ミントンのお皿


私が結婚するとき、上司からお祝いとしていただいたミントンのセット。
今でこそ、ミントンやウェッジウッドなど、いわゆるブランド食器も手に入りやすくなったけれど、当時はまだまだ「思い切り」が必要な高価な物だった。
上司の奥様は、海外生活、特にロンドンでの暮らしが長かったこともあって、お祝いとしてミントンを選んで下さったらしい。
ちなみに娘が生まれた時のお祝いには、イニシャル入りの銀のスプーンを贈っていただいた。
あれから長い間、ミントンはちょっとオシャレなティータイムの為の特別な食器として活躍してくれた。
食洗機には決して入れず丁寧に手洗いして、粗忽者の私が大事に扱ってきた。
そのセットを娘に譲ることにした。ミントンはそうやって代々、受け継いでゆくものなのだという。
きっと奥様は、そのこともご存知の上で贈ってくださったのだと思う。
上司が亡くなってからも年賀状のやり取りをさせていただいている奥様に、来年は「あのミントンは娘に受け継がせていただきました」とご報告しよう。