嫁デビュー

先月入籍を済ませたばかりの娘が、婚家のお祖母さんのご葬儀で、いきなりの嫁デビューとなった。

「どうしたらいい？」と朝早い電話がくる。
「何でもお義母さんに訊いて動きなさい。」
「エプロンを持ってね！あっ、柄物じゃなく白か黒のね！」
そしてもうひとつ、大事なこと。「お葬式なんだからヘラっとしないようにね〜！」
それは、初めてお目にかかるご親戚も多い中、笑顔だけが取り柄の様な娘にとっては至難の業。
そして夕べ遅く「疲れすぎました」「気疲れ」とメールが来た。
そう。娘よ、嫁というのはそういうものなのだよ。
「お兄さんのお嫁さんと一緒にお手伝いが出来たからよかった」と結ばれたメールに、夫ともども、私もホッとひと安心の娘の嫁デビューだった。